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プログラミングや数理最適化,深層学習の話題について紹介するブログ.スパース正則化の基礎研究と、ニューラルネットワークやテンソル分解への応用に取り組んでいます.

☀️Tectonic で日本語 LaTeX 環境構築

はじめに

Tectonic は Rust 製のモダンな LaTeX 組版エンジンです

XeTeX と TexLive を元にして作られています

▼ 公式サイト

メリット

  1. \usepackage で指定したパッケージを自動でインストール

    ファイルサイズが巨大な TexLive Full(下記補足)のインストールが不要

  2. 文書のビルド(PDF作成)が容易

    ▲ わずか数行のコマンドでビルド可能

TexLive

ローカル環境で LaTeX を動かすためのファイル群

これのおかげで環境構築に苦労することもしばしば...

また,パッケージを不自由なく使うためには,巨大(数GB程度?)な TexLive Full をインストールする必要があり,インストールにとても時間がかかる

インストール

以下のコマンドをターミナル上で実行するとインストールできます

curl --proto '=https' --tlsv1.2 -fsSL https://drop-sh.fullyjustified.net |sh

次に tectonic -h と打って Tectonic のヘルプが出ればインストール成功です

▼ ドキュメント

brew や cargo を用いたインストール方法も記載されている

文書作成 → PDF 作成まで

コマンドをターミナル上でいくつか実行するのみで完了です

▼ ビルドに用いるファイル群を作成するコマンド

tectonic -X new myfirstdoc
./
├── src/
│  ├── _postamble.tex (本文の後に記述)
│  ├── _preamble.tex (本文の前に記述)
│  └── index.tex (本文)
└── Tectonic.toml (設定ファイル)
myfirstdoc のディレクトリ構造

▼ ビルドを行うコマンド

tectonic -X build # cd myfirstdoc/src などで src ディレクトリへ移動してから実行
./
├── build/
│  └── default/
│     └── default.pdf (生成物)
├── src/
│  ├── _postamble.tex
│  ├── _preamble.tex
│  └── index.tex
└── Tectonic.toml
ビルド後のディレクトリ構造

▼ ドキュメント

日本語表示への対応

_preamble.tex\documentclass を以下の通りに書き換えた上でビルドしてください

...以上!!!

\documentclass[
    xelatex,
    ja=standard,
]{bxjsarticle}

まとめ

以上で Tectonic を用いた日本語 LaTeX 環境の構築は終了です

TexLive と違って一瞬で終わるので楽ちんですね